2017年5月30日火曜日

人は自由を求めている…のか?!

日々健康に活動をしている人であれば、1日を過ごす中で必ず何かしらを口にしていると思います。食べるものを選ぶとき重視することはなんですか?その時々によってもちろん違うとは思いますが。

気分、価格、からだにいいから…いろいろと理由はあると思うのですが、最近の食事事情をみていて思うのはありとあらゆる選択肢があることで「自由」が増えたと思うことです。

これが食べたいんだけど、こうなるのはイヤ!

と思えば、そういうものがある世の中。すごい。

ジュースは飲みたいんだけどカロリーはとりたくない、と思えばゼロカロリーの飲料があるし、お酒は飲みたいんだけど運転しなきゃいけない、となればアルコールフリーの飲料もあります。空腹はまぎらわせたいけど太るのは困る、と思えば小腹を満たすローカロリーなフードがあったり。

そこに「我慢」という選択肢は…ない(笑)。なくなってきているような気がします。

でもこれがとても功を奏しているとでも言っていいのか、アレルギー対応に関して選択肢が多いのはすごく意味のある発展だと思います。

例えば、今はアレルギーではなくても「グルテンフリー」生活を送るダイエットというか健康法も脚光を浴びています。グルテンフリーというのはパンやパスタなどの小麦原料のものをとらない食事をするということです。

米の消費量が減っているのに、肥満や糖尿病が増えているのは小麦の摂り過ぎも一因なのではないかという話も聞いたことがあります。

確かにふと、身の回りの食べ物を見渡すと、パンや麺類の他にも、お菓子や加工食品など実に様々なものに小麦は使われています。そういうものを摂らない食生活をするとこんなふうに体が変わりますよといったダイエット日記のようなものは探すといくらでも出てきます。気になる方は調べてみてくださいね。

そして、こうした流行も手伝って、今、小麦に変わる米粉の普及やレシピの充実が目覚ましいです。卵や牛乳を使わないケーキや料理の紹介をする本もとても多いです。アレルギーを持っているお子様の毎日の食事を作るお母さん方にもこうした情報の充実はとても参考になるのではないかと思います。


少し前に、米粉でスノーボールというクッキーを作りました。私自身はアレルギーではなく、グルテンフリー生活を送っているわけでもなく、単に気まぐれで食べたい時に作る程度ですが、米粉はあっさりしていてなんとなく、からだにすっと入りこむ感じが好きです。やはり日本人に合っているのでしょうか…。

〇〇フリー、という言葉をよく目にするなという最近の実感から、こんなお話になりました。もうすぐ6月。梅雨の時期に入りますね。暑さもあるので、食品の取り扱いには気を付けましょう♪

2017年5月26日金曜日

糖質制限のお話。

糖質制限食についていろいろ調べてみると、実にたくさんの情報があります。先日読んだ本に、糖質制限食についての歴史が書かれていました。

古くは、20世紀の初頭にアメリカで出版された内科学の教科書に、糖尿病の治療食として用いられた記録があるそうです。1980年代には、ロバート・アトキンス博士という人が著した「アトキンス・ダイエット」というのがアメリカで一大ブームになったそうです。こちらの減量法は、極端に糖質を制限したもので、肥満が国民病と言われるアメリカでは目に見えて体重が落ちる効果からこうしたブームにつながったとあります。

今の日本も、空前の糖質制限ブーム!と言いたいです。個人的には。世の中に「低糖質」とか「ロカボ」とかそんな言葉が溢れていると思いませんか?

けれど最近では、糖質制限食をする人たちを10年以上継続して調査したデータがいくつか発表され、厳しい糖質制限食が低体重や体の代謝の仕組みが変わる(血液が通常の弱アルカリ性から酸性に傾くこと)といった危険を招く、ということが報告されているそう。

厳しい制限ではなく、例えば3食のうち1食だけ糖質制限するといったような、ゆるやかな糖質制限であれば、体の基礎的な代謝の仕組みは変わらないので安全といえるとのこと。

糖質を多く含む食品を食べなければ高血糖にはならず、体重も減るというとなんだか糖質は「悪者」と思ってしまいますが、昔から糖質はすべての生命活動の中心です。

無理に太る必要はもちろんありませんが、「やせているのがいい」という単純な価値観だけでむやみに糖質制限を行うと健康を害する可能性があります。健康になるためにやせるのはいいけれど、やせることで不健康になるのでは本末転倒です。

今の食生活を見直して、今の延長でできることを無理なく選んで続けることが体にとっても大切なことです。

自分の活動量に見合った食事の摂り方をまずは考えてみるといいと思います。


2017年5月23日火曜日

血糖値その2。

前回に続き、血糖値に関する話題を少し。

その1。では、血糖値の急上昇、急降下が良くないとお話しました。それが続くとインスリンの作用不足になり、高血糖の状態が持続してしまうようになります。

そうしないために、野菜や肉、魚などのおかずから食べ始めるように心がけましょうというところで終わりました。

食事そのものも大切ですが、「食習慣」もぜひ見直してほしいと思います。

なかなか忙しくて規則正しい食事は出来ない方も多くいらっしゃると思います。ですが、まずは食べ過ぎ飲み過ぎの自覚がある場合はそれを改め、1日の摂取エネルギーを適正に保つことが大切。現代ではただ単に糖質をカットすれば何でも食べていいという風潮が多く見受けられますが、栄養的に言うと、それではカロリーはもちろん、脂質や塩分が大幅に増えてしまうことになります。

朝、昼、夕の一日三食をできるだけ均等なエネルギーになるようにし、できるだけ毎日同じ時間に食事をするというのが理想中の理想です。そんなことはできる人のほうが少ないのは百も承知で…。

また、糖質(ごはんやパンなどのいわゆる炭水化物、砂糖類)を減らすことは血糖値対策には有効ですがそれだけでは不十分です。

食物繊維には、糖の吸収をゆるやかにして血糖値の急上昇を防ぐ作用があります。海藻類やきのこ類などは低エネルギーで満腹感もあるので、できるだけ食卓に登場させたい食材です。豆類もぜひ取り入れてください。これからの季節、枝豆がおいしくなるのでおすすめです。

血糖値が気になる方は、ぜひ

①三食のバランスと食生活の見直し
②食事はおかずから。ただし早食いは禁物!
③海藻類、きのこ類を積極的に取り入れる
④間食をするなら、果物や乳製品を

このあたりを気をつけていただきたいと思います。

バランスのよい食事は万能食です。少しのこころがけで体は変わります!元気でおいしいものをいつまでも食べるために、出来ることからはじめてみませんか。

2017年5月22日月曜日

血糖値その1。

こんにちは。すっかり爽やかな5月の風。いよいよ扇風機の出番となり、変わりゆく季節を感じます。

今日は、日頃指導の機会が多い「血糖値」についてのお話を少し。

こんなにも血糖値のことが話題になり気にする人が増えたのは一体どれくらい前からなのでしょうか。今は雑誌などを見てもよく血糖値コントロールについての話題を目にします。カロリー制限はもう古い!のような…栄養士としてはそんな断言はできないので、こちらはあくまで血糖値コントロールについての話ということで、カロリーは無視していいということは決してありませんので、あしからず…。

さて、こんなグラフを載せてみます。

(株)保健福祉ネットワーク 健康レポートより抜粋
ちょっと見づらいのですが、こちらは食べる順番を変えるだけで血糖値の上昇が緩やかになるというグラフです。

私たちの体は

①食事をする→②血糖値が上がる→③インスリンが分泌される→④血糖値が下がる→①に戻る

という仕組みになっています。

そもそも、血糖値は急激に増減を繰り返すことが一番体にはよくありません。血糖値を下げるホルモン(インスリン)が繰り返し分泌されると膵臓が疲れてしまいます。そして、血糖コントロールがうまくいかなくなり、糖尿病を誘発してしまうのです。膵臓を疲れさせないことが糖尿病予防には大切なのです。

血糖値が急に上がる、というのはグラフでいう黒い線「米飯→魚の順に食べる」という部分が表しています。近年は、食後高血糖を「血糖値スパイク」といってテレビなどでも取り上げられていますが、食事により急激に血糖値が上がりすぐに下がります。これにより、食後の眠さや倦怠感、また食べてもすぐに空腹感があったりするそうです。黒い線で注目してもらいたいのは、血糖値が下がる速さも一番ということです。

急に上がって急に下がるではなく、他の二本の線のように、緩やかに上がって緩やかに下がる、のが理想です。

このグラフでは米飯と肉、魚になっていますが、もちろん野菜から食べるのもおすすめ。主食となる米、パン、麺などよりも先におかずから食べるように心がけると、血糖値の急上昇は避けられます。

少し長くなってしまったので、続きはまた次回にします♪

2017年5月15日月曜日

えんどう。

心地よい風が吹く5月。沖縄はもう梅雨入りだそうです。「梅雨入り」というまだ聞きなれない言葉を耳にするとドキッとします。何でしょう、この焦燥感…。もうそんな季節なのですね。

今が旬の野菜で「スナップエンドウ」というものがあります。

前に、枝豆のお話をしたときにも同じようなことを書いたのですが、枝豆は食品成分上では豆類ではなく「野菜類」になります。さやえんどう、グリーンピース、スナップエンドウ、トウミョウも同じえんどう類になりますが、こちらも「野菜」。さやえんどうはまだしも、グリーンピースなどに至っては間違いなく「豆」な気もするのですが、一応、分類上は野菜です。ちなみに、そらまめは、豆類です…。

前置きが長くなりましたが、スナップエンドウは、お店に並んでいるのをみるとそれなりに良いお値段で売っていますが、我が家も含めご近所さんでの栽培率がかなり高い。そしてものすごくよくなってます。お店のものよりは小ぶりですが、1日でずいぶん育つので、毎日けっこうな量が収穫できます。

シンプルイズベストとは言ったものの、毎日ゆでてマヨネーズで食べるのもそろそろ飽きてきて…。オリーブオイルと塩で蒸し焼きのようにしてみたり、ゴマ和えとかサラダにしてみたりするのですが、やっぱりゆでてマヨネーズに戻ってしまい。おいしい食べ方をご存知の方がいたら教えていただきたいです。

そんなスナップエンドウ。食物繊維やカリウム、ビタミンCも多く、豆の部分はタンパク質やビタミンB1も含みます。緑黄色野菜の基準値からギリギリもれてしまったのですが緑黄色野菜並みのカロテンを含んでいる優秀選手の一人。

さやはしゃきっとしていて、豆は甘みもあって栄養価も高い!となると、今食べたい野菜ナンバーワンかも…しれません。

さやえんどうやスナップエンドウ、旬のお野菜を食卓に並べて、元気な体を作りましょう♪

2017年5月9日火曜日

シンプルイズbest。

過ごしやすい季節。しかしちょっと太陽が照りつけようものなら、真夏の暑さを彷彿とさせ、また暑い夏が来ると実感します。

だんだん、冷たいものがおいしい季節になってきましたね。

今日は、のどごしがよくてツルッとおいしい、牛乳かんてんのお話。

水、牛乳、砂糖、寒天。

これだけで出来る、おいしいデザート。

牛乳というのはそもそも「さっぱり」という感覚とあまり結びつかないものです。脂肪分があるので、コクを出したり、濃厚なものというイメージ。けれど、水と寒天のおかげで、甘いはずなのに牛乳かんてんとなると、さっぱりとしていてつるつる食べられます。

つくづく、料理というのはおもしろいなと思います。手をかけた料理がおいしくなるとは限らない。でもシンプルなものはまずくなりようがない。


こんなふうに型抜きしても楽しいです。

水・・・・・200cc
牛乳・・・300cc
砂糖・・・50g
粉寒天・・・・4g

水に粉寒天をふり入れてかきまぜながら沸騰させます。2分くらい沸騰させたら火を止めて、砂糖を加えて溶かします。そこに牛乳を入れて混ぜるだけ。

個人的には、みかんの缶詰を入れた牛乳寒天がすごく好きです。いちごを入れるのもおいしいですね。いちごの季節ももう終わりですが…。

冷たい牛乳かんてん、おやつにおすすめです。日本人は常にカルシウム不足と言われいてるので、牛乳も1日1回どこかで摂取できるのが好ましいので、そのまま飲む他、おやつにしてみるのもいいかもしれません。

2017年5月6日土曜日

栄養の色。

GWも終盤です。今日は祝日ではないので、わりと世の中は通常通りの土曜日のイメージです。

連休中、レジャーなどで遠出したり、旅行をしたりといった過ごし方もあったと思いますが、家にいて普段はあまり見ることのない平日のテレビ番組を観たなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私も、ある日子供向けの料理番組でこんな話をしているのを見ました。

栄養は、赤と黄色と緑にわけられるんだよ。1つ1つより、3つ揃うとすごいパワーを発揮するんだ!というようなことを言っていました。

そのあと、クイズ形式で、この食べ物はどの色に分類されるでしょうという出題があったり。

赤は、からだをつくるもとになるもの。

黄色は、からだをうごかすエネルギーになるもの。

緑は、からだのちょうしをととのえるもの。

この言い回しは、自分が子どものころから聞いていますし、今も保育園などの食育イベントに行くと必ず話します。

思い返せば、私がおそらく初めて「栄養」というものに興味を抱いたのは小学校の給食だったのではないかと思います。

給食の時間に放送があった気もします。給食だよりに、赤、黄色、緑の説明が書いてあったとも思います。小学校では毎日、6年間給食を食べるわけなので、頭にすり込むには十分すぎるほどの回数…。気に留めなければそれまでですが、なんとなく、私の記憶にはしっかりとすり込まれていました。

ちなみに赤はタンパク質、黄色は炭水化物、緑はビタミンやミネラルが主に摂取できる栄養素となります。どれも欠かすことなく必要なもので、一食にできればこの3つが揃うと望ましいです。

子どもの食育だけでなく、大人の方にも簡単に栄養バランスをとってもらうために色の話もよくします。実際、赤のジャンルは肉や大豆、魚やたまごであって、調理したあとの「料理」をみると赤いものはあまりなく、どちらかというと「茶色」なイメージなのですが、食卓に料理を並べた時に色が偏っていないかみるだけで栄養バランスがとれているかがわかると思います。

茶色のお肉や魚。黄色のごはんやパン、麺など。緑色の野菜のおかずやくだもの。

それぞれ違う働きをする3食のお皿が揃えば、体の中で栄養素は最大限の働きをしてくれ、健康へとつながります。

茶色っぽくて鮮やかな色がないと思えば、緑の野菜やトマトなどをちょっと添えてみたり、そんなことでいいので毎日の食事を彩りでチェックしてみてはいかがでしょう。