2015年7月26日日曜日

野菜の日光浴。

この週末は、関東地方も猛暑日となるところ続出で特に暑さが厳しかったようですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

暑いときの体調管理は難しいです。寒いときより自覚症状が出にくいように感じます。

ここ数回は骨のお話、ビタミンDのお話をしてきました。

適度な日光浴。この猛暑に「適度」はあるのか…。暑くて外に出たくない!という方も多いかもしれません。

そんなときは、人間の代わりに、野菜に日光浴してもらいましょう!

干し野菜はどうでしょうか。

この週末は風も穏やかで、野菜を干すにはいい条件でした。ざるに切った野菜を並べて干すだけ。


上が干す前。

下が二日目。

ほぼ丸1日でカラカラになります。翌日の午前中も少し陽にあてて、こんなに「干からび」ました。人間はこうも陽に当たることはできませんからねえ…(笑)。

なにしろ、日光に当てるとビタミンDは増えます。大根などはカルシウムもかなり増えるらしいです。その代わり、熱に弱いビタミンCなどは減ってしまうので、生でとったり、干したものを使ったり、いろいろ組み合わせて一日の食事を考えてみてくださいね。

こんなふうにカラカラになったものは、水で戻してぎゅっと絞って和えものにしたりいため物にしたり。野菜のかさもぐっと減るので、たくさんの量をとることができますし、生とはちがった味わい、食感が楽しめます。カラカラに乾かせば保存も効くので、野菜がたくさん手に入ったときなどもおすすめです。

こうして太陽の恩恵を食べ物から感じ、干すことでいつもと違った顔になる野菜をおこさまと観察するのも楽しいものだと思います。

この暑さもおおいに利用して、まだまだ続く暑い夏を楽しく乗り切りましょう!!

2015年7月23日木曜日

うなぎと絡めて。

今年は7月24日が土用の丑の日です。8月5日もだそうです。

今日、たまたま本で土用の丑の日の由来を目にしました。昔、うなぎ屋が平賀源内にどうしたらうなぎが売れるか相談してうなぎを食べる日として「土用の丑の日」を作ったら大繁盛したと。

そうだったのか…。知りませんでした。こういう話は諸説あるのかもしれませんが。

とにかく、土用の丑の日は、普段よりうなぎが売れるのでしょう。

なんでしょう、見た目とか味とか、よくわからないけど個人的には雰囲気的にすごく「スタミナつきそう」って気がします。私はすでに夏バテ気味だったのでフライングして数日前にうなぎを食べました。うなぎに含まれる栄養価を知っているとなおさら、食べながら元気になる気すらしました。

前回、ビタミンDの話と骨の話をしました。女性は特に、年齢を重ねると誰でも骨粗鬆症のリスクが高まります。強い骨の三原則。運動、栄養、日光浴。ビタミンDは食べ物からと、紫外線からと両方からとりたいもの。そこで…

うなぎというと、どんな栄養が豊富だと思いますか?

一番多いのはビタミンA。100g食べたとして、1日の所要量を余裕でクリアです。よく言われるのは目によいとか、皮膚や粘膜を正常に保つといった作用です。

それから、夏バテにいい!というイメージも多いかと思います。

これは、ビタミンB1が含まれるうなぎを食べることにより疲労回復効果があるということだと思います。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるお手伝いをしてくれるビタミンです。そしてビタミンB2も!こちらは脂質の代謝に活躍。

そしてそして、ビタミンDです。カルシウムの吸収を助けてくれる栄養素。こちらも100gで一日の所要量をクリア。カルシウムも多いうなぎですから、一緒にビタミンDもとれて理想的。

うなぎが大好物っていうかたは違うかもしれませんが、私はお正月におせち料理を食べるような感覚で、土用の丑の日だからうなぎを食べているというだけなのですが、この最強ビタミンミネラルパワーを知ってしまうと、ときどき食べたいなという気になります。どうやら土用の丑の日というのは夏だけでなく年間通して何日かあるという話も聞いたことがあるので、それに合わせて食べようかなとか。でも、頻繁に食べるにはちょっとお値段が…(笑)。

やっぱり、夏だけでいいか…。

平賀源内みたいに私はうなぎ屋の相談を受けたわけでも、うなぎ屋の知り合いがいるわけでもありませんが、ちょっとお疲れ気味の体にうなぎはおすすめです。

元気な体に元気な骨。なんだかこれから本番を迎える暑さに対抗できそうな気がする、うなぎ。長いもの一本どーんと食べなくても、少しの量でも栄養素はぎっしり!季節を感じながら食べてみてもいいかもしれませんね^^

2015年7月22日水曜日

適度な日光浴。

毎日暑いですね。とりあえずこれは言っておかないとという感じです。

真夏の紫外線はお肌の大敵。
それに太陽カンカン照りのときは、一歩外に出るだけでもう汗がふきだしてきます。

どちらかというと「悪者」扱いされる紫外線ですが、人間の体にとっては必要なものでもあります。

最近ちょっと気になるこんなニュースを見ました。
「幼児のくる病が再燃」

くる病というのは、戦後栄養状態が乏しかったころに多かった「ビタミンD」不足でおこる病気です。ビタミンDは骨の形成に大きく関わってきます。これが不足すると骨の発育不良が起こります。

ビタミンDを補うのに、食事はもちろんですが、紫外線を浴びることも大切。骨粗鬆症の予防でも、運動・栄養・日光浴、これが三本柱となっています。

さすがに今の時期は日中の外出は危険な気温のときもありますので、午前中早い時間や夕方少し涼しくなってきたころに30分でも外に出て日光を浴びてみましょう。もちろん、体調のすぐれないときなど、基本的にこの時期は無理をせずに行ってくださいね。

ちなみに、食事でビタミンDをとろうとした場合ですが、食品成分表のビタミンD一日摂取量というのをみますと、0~11カ月の乳児にはカッコ書きで、適度な日照を受ける機会がある場合とそうでない場合との二種類の数値が書いてあります。そのくらい、ビタミンDと紫外線は密接なつながりがあります。

そして、ちょっと話がそれますが、20歳くらいまでは骨を「貯金」する時期で、この時期にどれだけ骨量を増やせたかによって将来の骨粗鬆症のリスクが決まるとも言われています。その後は、いかに減らさないか、を先ほどの三本柱で維持していくわけです。

その後の骨粗鬆症についてはまた書きたいと思います。

話が戻って、食事からのビタミンDですが、主に魚介類にはとても多いです。干ししいたけや、きのこ類にも含まれます。

小さなお子さんですと、しらすや鮭などはお食事に取り入れやすいのではないでしょうか。しらす(微乾燥品)ではほんの5gで、ほぼ幼児の1日分に必要なビタミンDが摂取できます。

毎日の献立にお魚も取り入れて、適度に日光を浴び、たくさん体を動かして、元気な骨を作りましょう!!

2015年7月16日木曜日

油大さじ1杯何カロリー?

こんにちは。

関東地方にも台風が接近中で本日はとても不安定なお天気です。

昨日までは厳しい暑さで…なんだか急に35℃近くなったものだから、自分を含め周りも体調を崩す人が多く、これはおそらくこの暑さのせいではないかと思っています。熱中症に注意しましょうとどこでもかしこでも言っていますが、改めて自分も体力を過信せず体調管理に努めていかなければいけないなと思います。


さてさて。

食べ物を手に取ると、ついつい「栄養成分表示」を読んでしまうのは職業柄か、現代人のクセなのか。わかりませんが私はこの表示を見るのが大好きです。

以前も、妊娠すると自然と食べるものを気にするのではないかというお話をしましたが、加工食品などに何が含まれているのかなど、妊娠をきっかけに興味をもたれるかたも多いかと思います。あかちゃんが生れたら、こどもに食べさせるものだからとこれまた食品選びも今までと違った基準で判断するようになるかもしれませんね。


ご自分で作るお料理のカロリーを気にする方もいると思います。毎日の食事を、その都度はかりを使って計量し計算する人はなかなかいないと思いますが、おおざっぱにでもわかる範囲で、豚バラ肉100g使ったら400kcal以上あるとか、卵一個でだいたい80kcalとか、そんな具合にでもわかっていると違うのかなと思います。

野菜など素材自体のカロリーがさほど多くないものは、一日の摂取量としてカロリーではなくグラムで、350g以上とりましょうと言われているのはよくご存知の方も多いかと思います。

逆に、少量でもカロリーが高いものは、油です。

炭水化物(糖質)を抜いたりする食事療法がはびこる現代ですが、炭水化物は1g当たり4kcalなのに対し、油(脂質)は1g当たり9kcalもあります。

サラダ油は、大さじ1杯で12gあります。

計算すると、9×12=108kcal

白いご飯に換算してみるとおよそ65g分。まあ、なんとわかりにくい(笑)。

しかし、油大さじ1杯と、お茶碗に半分くらいのご飯。これが同じカロリーなわけです。油がいかに少量でカロリーが高いかわかります。炭水化物を抜くダイエットも奥深い根拠があるのかもしれませんが、炭水化物さえとらなければいいという見解については疑問です。やはり、全体的に量を減らすとかバランスを保ったままの食事コントロールをすすめたいです私は。

そしてちょっと話をもどして、栄養表示なのですが。これですね。

誰もが一度は目にしたことがあると思っています。

さきほどのお話を思い出して下さい。

炭水化物は、1gあたり4kcal
脂質は1gあたり9kcal
そしてたんぱく質は、1gあたり炭水化物と同じ4kcal
です。

ここからは、大して意味のない話になるかもしれないのですが、この表示にかいてあるたんぱく質、脂質、炭水化物をこんなふうに計算してみます。

たんぱく質 2.4(g)×4(kcal)
脂質   19.6(g)×9(kcal)
炭水化物 32.6(g)×4(kcal)

そうすると、一番上の熱量(カロリー)になります。
こんな風に熱量は計算されていますので、もう、ものすごく暇で暇でやることがないというときに、ぜひ計算してみてください。私はちょっと手持無沙汰になるとこんなことをしています…。

ちなみにナトリウム。ナトリウムに2.54をかけて計算した値が食塩相当量になります。
321(mg)×2.54÷1000=0.8g


しかしこの表示については2020年までの経過措置期間を経て、ナトリウム表示ではなく食塩相当量表示にかわってゆき、より消費者にわかりやすい形で表示されることとなっています。

一目で栄養素がわかり、私たちが自ら食べるものを選んでいく時代です。知ろうと思えば何でも知ることの時代。はたしてどこまで知っていいものかとすら思ってしまうわけですが、知識が増えて悪いことはあまりないような気がします。いろいろ知った上で、自分にあったものを選んでいかれたらいいですね。

なんだか計算だらけの回になってしまいましたが最後まで読んでいただいてありがとうございました。

蒸し暑くなると、室内でも熱中症の危険が高まります。やっぱり言いますが、熱中症には十分気をつけ、週末にむけてさらに元気に過ごして行ってほしいと思います!

2015年7月10日金曜日

幼児の肥満について。

こんにちは。

今日は、長かった雨の毎日もちょっとひと休み。久々に朝太陽の光を浴びることができました。

妊婦さん、授乳期のお母さんにはちょっとまだ先の話ですが(上のお子さんがいる方は身近に感じるかもしれませんが)、先日新聞で目にとまった幼児の肥満のお話をちょっとしたいと思います。

だいたい、3~5歳くらいの、いわゆる幼稚園に通っているくらいのこどもの肥満についてです。

大人の体格指数で使われるBMI。

ご存知の方も多いと思いますが、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数値になります。

たとえば、体重50キロ、身長158センチの方ですと
50÷1.58÷1.58=20.0
となります。

日本肥満学会では、BMI22.0を標準体重としており、18.5以上25.0未満を普通体重とし、BMI25.0以上を肥満としています。

つまり身長158センチで、62.5キロ以上だと肥満ということになります。

この成人でいう体格指数(BMI)の幼児版をカウプ指数(計算方法は違いますが式を変形するとBMIと同じになります)といい、小児では年齢ごとに標準値が違います。

3~5歳ですとおおよその標準値が14.5~16.5くらいということです。

私が新聞で見た自治体では3歳児健診のときにいわゆるBMIが18.5以上の場合、また1歳半健診と比べて0.5以上増加などに該当した場合、小児科の肥満外来を紹介し、医師や栄養士とともに生活改善をサポートするというしくみができているそうです。

大人もそうですが、BMIというのはみかけの数値です。BMIというのは体格指数であって体脂肪率とは違います。みかけの数値はあくまで健康の目安として考えてください。幼児の場合ももちろん同じです。標準値は標準値としてありますが、これをちょっと出たからすぐどうということではありません。

そもそも乳児の体というのは脂肪が蓄積していてBMIが高いです。赤ちゃんの、あのムチムチ、ぷにぷにのなんとかわいらしいことか。輪ゴムをまいたようなあの手首…ときどき見てあげないととホコリがたまっちゃって…(笑)。

誰もが経験するそんな時期を経て、活発に動く時期になると自然にBMIは低下します。そして再び増加に転じるのが6歳前後だそうです。その時期が早ければ早いほど、将来肥満になるリスクが高いと国内外の研究で明らかになっているそうです。

やみくもに数字にとらわれるのではなく、幼児期はとにかく食事(ごはん)をしっかりと食べ、甘いものやジュースを与える機会を考え、食事をしっかりとするためにたっぷりと体を動かすこと。気になる方は、普段食事以外に与えているものの種類、量や回数を見直してみてはいかがでしょうか。

ちなみにこの頃必要なカロリーは1250キロカロリーほど。それこそ体格などにより個人差はありますが、お母さんの必要量を2000キロカロリーとすると、だいたい子供はその6割ちょっとと考えると食事作りの際に役立つのではないかと思います。

これから長い夏休みに入ると、食事の管理もほぼ毎日お母さんの仕事になり、頭を悩ませるかもしれません。のども渇くと思いますが、むぎ茶やお水などで水分補給をし、よく体を動かしていれば、ご飯はおいしく食べられますし、毎食きっちり作る必要もありません。1日の中で野菜や果物や乳製品も取り入れてつじつま合わせをし、時には外食や買ってきた食事を楽しみ、おやこで元気な夏休みを過ごしてほしいと思います。




2015年7月6日月曜日

健康を考えるとき。

今年も下半期に突入です。

ザ・梅雨。な天気の今日この頃ですが体調管理はできていますでしょうか。

着るものにも悩む季節です。梅雨が明けると夏の暑さが厳しくなりますが、着るものに悩むっていうことがないのがちょっぴりうれしかったりします。もう、とにかく常に涼しさ重視で…となるので。

さて、先日食育の先生のお話を聞く機会があり、こんなことをおっしゃっていました。

食べざかり、育ち盛りの中高生に、「バランスのいい食事をしましょう」と言っても響かないのはどうしてだと思いますか。それは、彼らが”健康”だからです。


食べても食べてもお腹が空いているくらい、エネルギーの消費も摂取も多い成長期。学校帰りなどお腹が空いたとき、そうそうバランスのいい食事ができる状況もなく、でも彼らは健康そのもの。確かにそんな言葉は右から左でしょう。

そのとき思ったのです。

妊婦さんというのは、そういった意味で彼らと真逆の位置づけになるのかな?と。

さして意識はせずとも、そう、今まで健康のことなど全く考えずに食事をとってきたような人でも、自分のお腹に命が宿ったと知ったら、まっさきに体のことを考えて、食べるものも考えるようになるのではないかなと。

「バランスのいい食事をしましょう」なんて言わずとも、本能というか、自然と意識するようになる人が多いのではないかと思うのです。

それを機に、まわりの家族の健康、赤ちゃんだけでなく自分自身の健康や食についても考えてくれるようになったらいいなと考えています。

〇〇に効く、とか〇〇にいい、という話は世に溢れています。でも結局のところは一つのものに偏った食事ではなく、まんべんなくいろいろなものを食べる「バランス」にたどり着きます。

妊婦さん、授乳中のママさんなどは、自分が食べたものがわが子に影響すると思うと神経質になってしまう方もいるかもしれませんが、まずはご飯などの主食、お肉やお魚、豆や卵などの主菜、お野菜や海藻類のおかず(副菜)、この3つを食卓に並べることを意識して毎日のお食事をしてみてください。

基本中の基本ですが、それが一番大切なことだと思います。そしてその3つの中で、目で見て彩りがいいなと思えばそれなりにバランスはとれているはずです。

お食事のことや体重の管理などでお悩みがありましたら検診の際などにお気軽に声をかけてください^^

ジメジメして洗濯物も乾きにくい気候がしばらく続きそうですが、気持ちは晴れやかに毎日を過ごしたいですね♪♪

今週もがんばりましょう!